平成10年7月10日 河北夕刊
政策を図解にすると・・・ 宮城大の学生、授業で挑戦
 参院選(十二日投票)の比例代表に公認候補を擁立した政党などの政策について、宮城県大和町の県立宮城大学の学生たちが、図解による「解読」に挑戦した。「情報表現論」(久恒啓一教授)の授業の一環。「政策なんて呼んだことない」と言う今どきの学生も、即席の”政治評論家”を気取るなど、選挙への関心が高まった様子だ。
 イラストなどで文章を分かりやすく表現する技術を教えている久恒教授が、参院選の公示後にせいと宇、政治団体の政策が載った新聞記事を示し、「大量に並べただけでは読まれないよね」と”挑発”。すると「ぜひ政策を図解してみたい」との反応があった。
’98参院選 キーワードで各党比較 有権者意識高まる
 学生たちは四苦八苦しながらも政策のキーワードを抜き出したり、矢印や囲みを使ったりするなど、工夫を凝らしてビジュアル化した。
 学生たちの感想文には「真剣に政治記事を読んでみようと思った」「選挙権があるのに何も分からなくて恥ずかしい」〇〇党の景気対策に興味を持った」と有権者意識の芽生えも。授業は学生の政治意識に大きな刺激を与えたようだ。
 各政党には耳が痛い意見もある。「個性ある主張もあれば、あいまあな表現でごまかしもある」「期待できる党とできない党がはっきりした」など。中には「減税問題などで各党は独自色を出そうとしている」と理解を示す声もあった。
 新聞報道に対しては「もっと図解を使えばわかりやすくなり、投票率も上がるのでは」と注文も。
 久恒教授は「文章はごまかせても、内容がないと図解化は無理。学生たちはそこに気付き、政治や選挙への関心も高まった。十三日の選挙では『投票に行って来た』という報告が聞けそう」と楽しみにしている。
河北新報社提供

BACK