2000.08.02
自分を輝かせる プレゼンテーションの技術
図読のすすめ(3) 理解を深める新しい精読法
 次に仮図解を見ながら、再び全体を読んでいきます。一度、目印をつけた個所にとらわれずに、本当に大事なポイント、ピンときた点、キーワードなどを仮図解の中に書き込んでいきましょう。
 この段階になると、本を読むスピードは極めて速いはずです。仮図解を充実させる、という目的に絞って読んでいくからです。
 最後に、仮図解に書き込まれた情報を眺めながら、疑問点を本文を参照して確かめるなど、自分なりに理解をさらに深めていきます。そして全体の構図やレイアウト、論理展開の順序などを考えながら図解を充実させ、スッキリさせてみます。
 気が付いてみると、本の中身は図解を見ながら、だれにでも説明できるまでになっていることを感じるはずです。「よく分かった」という実感を持つことができるでしょう。
 こういった過程を経ると、最低でも3回は本を通読することになりますが、この図読によって本に対する理解は、ほかの方法に比べて圧倒的に深まってきます。本は著者が書いている通りに読まなければならない、という強迫観念は捨て去りたいものです。「著者はこう言っている」ではなく、「私はこの本をこう理解した」でいいのです。
 図読は本に対する客観的で正確な認識を示すのが目的ではありません。私が、私の関心や目的意識を中心に読んだら、この本の姿はこうなったということでいいと割り切ってしまいましょう。
 図読はそれなりの知的緊張を要求します。新しい精読法ということになるのでしょうが、効果は抜群です。ぜひ試していただきたいと思います。
聖教新聞

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