特集・変革の嵐を突破できるか
学生が企業の認知度調査 地元優良企業もタジタジ

 「アイリスオーヤマを受験しようと思う人(就職したい人)は学生全体の五%」
 このショッキングな数字は、宮城大学事業構想学部の学生が調査しアンケート結果からはじき出されたものだ。県内企業の中では、業績も良く元気な企業として知られるアイリスオーヤマ(株)(本社・仙台市 大山健太郎社長)も、学生にとっては「魅力のない?企業」として映っているようだ。
 この調査を実施したのは、宮城大学事業構想学部事業計画学科(久恒啓一ゼミ)三年生に在籍する佐々木清君をはじめとする六人(秋山謙一君、小野寺真君、庄司智君、菅原正之君、千葉乃生君)。昨年九月頃から、県内の複数の大学生(三年生)六百十五人に対し、アイリスオーヤマに関するアンケート調査を実施したもので、約三ヶ月ほどかけてまとめ上げた。

就職希望者は全学生の五%

 調査によると、「アイリスオーヤマ」という企業を知っている人は八六%だったが、同社の商品や行っている企業活動について知っている学生は二二%(百三十二人)にとどまった。つまり「よく聞く名前だが、具体的に何をやっている企業なのかわからない」というのが、学生の抱くアイリスオーヤマに対するイメージだ。しかも「知っている」と答えた学生の中でも「目薬メーカー」などと勘違いしているものも多く、実際の知名度はもっと低いのが現状だ。
 更に驚くべきは就職希望者の少なさ。就職の際、同社を受験しようと思っている学生はなんと五%(二十八人)。地元優良企業として日本、そして世界に商品提供をしている同社も、「イメージの出来ない会社は受験したくない」と思われている。

アイリスよりカニトップ

 また、「(アイリスオーヤマが)ベガルタ仙台のスポンサーであることをご存じですか」という質問にしては、知っているのが二二%(百三十四人)で、約八割が知らないという結果が出た。昨年J1昇格レースを繰り広げ、大いに注目を集めたベガルタ仙台だが、学生からの注目度は低く「サッカー自体興味ない」、「背中は目立たない」、「ロゴが長すぎて読みづらい」、「胸についているカニトップの文字のインパクトが強すぎて、その他のスポンサーは覚えていない」など様々な意見が出された。

 学生と企業の間にギャップ

 そもそも今回、アイリスオーヤマ一社を取り上げ、学生就職意識・認知度調査を実施しようと思ったきっかけは、久恒啓一ゼミと同社の間に接点があったことが大きい。同ゼミに所属する学生の中には、インターシップ精度を利用し同社で社会勉強をしている学生も何人かおり、その課程で、学生が抱いているアイリスオーヤマのイメージと実際とでは、大きなギャップ(差)がある事に気付いた。また、自分の周りにいる友達(三年生)はアイリスオーヤマについてほとんど知らないのに、大学四年になって就職活動をし、就職合同説明会などに参加すると、同社のブースがひとでいっぱいなるという事実を聞き、素朴な疑問を持つようになったという。
 アンケート調査を実施した宮城大生の佐々木清君は「アイリスオーヤマの知名度は自分たちの想像以上に低かった。また、アンケートでは悪いイメージなども出てきたが、事実と違う部分も随分ある。ただ、自分たちもびっくりするような結果が得られ、とてもやりがいがあった」と言う。

地元企業はイメージを演出できていない

 一方、この調査結果を受け、アイリスオーヤマは「地元宮城の学生に聞いたアンケートでこの数字はとてもショックだった。この結果を踏まえ、もっと認知度を上げる努力をしていこうと考えている。ただ、人気とりだけでは企業としてダメになるので、実力ともどもレベルアップしていきたい」と率直に受け止めている。
 アンケート調査の助言をした宮城大学 の久恒啓一教授は「学生のイメージが悪いのは人材確保の面で致命傷になる可能性もある。アイリスオーヤマでこの結果ということは、ほかの会社は・・・。地元企業はイメージをうまく演出できていないところが多く、宮城はそれが象徴的に表れている。今回の結果は、社内的にも約だつ意義のあるものだったのでは」と分析している。

2002.3
仙台経済界2002年3-4月号
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