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連載2 構想力の育て方  新・杜の都構想を学生とともに考える

 二〇〇一年という年は伊達藩の仙台開府四百年であった。しかも二一世紀のはじまりの年でもある。たまたまこの年に仙台市長選挙が行われた。八人が立候補した。さぞかし候補者たちはこの記念すべき年にふさわしい公約をかかげて、闘っているのかと思ったが、揚げていた公約は、市長の公用車廃止とか、無駄な費目を削減するとか、そういう小粒というか、なんとも夢のない話だった。仙台市長戦の争点がこんなことでは、おかしい、と私が言うと、顧客満足ゼミの学生たちも口々に「そうですよね。だから僕らは市長選なんかに関心をもてないんです」「せいぜい言うことは仙台城の復元でしょ。いつまでも伊達政宗です。それしか発想が浮かばないんですよ」などと言い出した。かなりもりあがってきた。
(後略)
2003
知的生産の技術263号
キャリア開発史 久恒啓一の紹介