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河北抄

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 ある大学の教授にコメントを求めたら、手厳しく叱責されたことがあった。奥深い学問の世界をちょっとのぞき見て、分かったような口を利く記者が気にいらなかったのか。不勉強をなじられた。
 そんな学究肌の先生も得難いが、今は市民に向かって分かりやすく情報発信できる教授が社会をリードする。
 宮城大学事業構想学部の教授を三月で退き多摩大学に転出する久恒啓一さんもそんな一人。図解コミュニケーションや自分史などユニークな話題を幾つも提供してもらった。
 忘れられないのが数年前、集団食中毒事件を起こした有名企業への提言書。学生らが会社の信頼回復の方策を独自にまとめたという面白い話だった。取材に行った時は、東京本社での説明会の日程がすでに決まっていた。
 地域や住民、企業に直言する学問。まさに「実学」を広め実践した十一年間だった。
 大学の仕事の質が一層問われる時代だ。「自分の仕事と社会がどうつながっているか理解することが最も大切。」先日の最終講義で久恒さんが話した。
 針路が見えない会社や自治体の人たちへの警句でもあろう。

2008.3.18
河北新報
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