1■「速解」の強力なパワー
世の中には、月に数十冊も本を買い込み、暇を見つけてはそれを読んでいる、読書家といわれる人がいます。
しかし、よほどの人を除いては、数十冊を全部読みこなすことは不可能です。いくら頑張っても、一週間に五〜六冊読むのが精いっぱいではないでしょうか。
そこで登場するのが「速読」という方法です。文章を読む場合は速読ですが、図解などのビジュアル情報を読む場合には「速解」ということになります。これは本の目次などを短時間で図解することを意味します。
ビジュアルかされた情報は、文書を読むことに比べて、より少ない時間で理解することができます。また、図解化された目次を参考に本文を読みすすめることは、より大きな理解を得ることにもなります。
本書を読み終える頃、みなさんは図解についての技術者になっているはずです。そこで、より図解の能力を高める為に、休日には図書館などで手当たり次第にほんの目次を頭の中で図解化してみることをお勧めします。 |
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2■図解は「面」を表現する
では、なぜ「図解」はこのように強力なパワーを発揮することができるのでしょうか。
一般的に、ビジュアル化された情報は文字情報と比較にならないほど、伝えられる情報量が多くなります。
それは、文字情報が一次元の「直線」的な流れを表現するのに対して、ビジュアル情報は二次元の「面」を表現するからです。 |
(クリックすると、ブラウザで実際のページをご覧いただけます。) |
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このようにビジュアル情報は、面を使って自由に表現できるため、文字情報に比べて見た目にわかりやすく、直観的に理解することができるのです。 |
だからといって、文章が無用だというわけではありません。いくらビジュアル情報が強力でも、文章抜きのビジュアル・コミュニケーションは考えられないからです。
前項の右脳の働きのところでも記したように、簡潔な文章と明瞭な図解が組み合わされたとき、もっともわかりやすいコミュニケーションが可能となるのです。 |