よい企画を立てるには、優れた企画力が必要になります。では、優れた企画力はどうすれば身につけることが出来るのでしょうか。
たとえば、実際には実現不可能な企画を遊び感覚でつくってみることも、企画力を身につけるためには有効な手段となります。ここでは、企画力を身につけるための方法について考えてみたいと思います。
企画力を身につけるには、まず「企画感覚」を磨くことが必要です。この「企画感覚」には、情報に対する態度である「感知力」と、事件や事象の意味や本質をつかみ取る「読解力」が含まれると考えてみましょう。
1■「感知力」を磨こう
人間の身体は、頭で考えるより先に“五感”が働いてしまいます。“五感”とは、視覚(見る)、聴覚(聞く)、触覚(触れる)、味覚(味わう)、嗅覚(嗅ぐ)の五つの感覚のことです。
“五感”の鋭い人は、普通なら見逃してしまうような小さな事象を瞬時にキャッチして、其れが価値のある情報かどうかをすばやく判断してしまいます。
つまり、感覚が鋭ければ鋭いほど、情報を取り込む力が大きくなるわけです。
このことから、“五感”を磨くことは情報に対する感度である「感知力」を磨くことになるわけです。
2■読解に図解を活用しよう
事件や事象の複雑な関係や構造を解釈するなど、ものごとの意味や本質をつかみ取る読解の作業に図解を活用することは、文章の表面的な解釈に惑わされにくくなるということからも、とても有効な手段です。
次に掲げる図解は、平成11年度版の経済白書の概観を図解したものです。
通常の不況の環に加えて、金融不安と家計不安という不況の環が加わって景気後退が深刻化しました。それぞれの環は、歯止めや改善、緩和が見られ、デフレスパイラル懸念も後退しました。一方、企業部門の調整圧力は強く、10年1月〜3月期の数字も踏まえると、結果的に「景気は厳しい状況、しかし明るい動き」も出てきていると言うのが現状です。
この現状の部分は、GDP統計を中心に追っていくことによって変化してくることになり、そのまま時間軸をのばしていくことで、日本経済全体を概観出来ることになります。
2000年の日本経済をテーマとした『週刊エコノミスト』(2000年2月7日号/毎日新聞社発行)への私の寄稿も、実際にこの図を成長させたものとなりました。
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