[2300] 書評を見つけました。「図で考える、、」コメントをつける 削除
2003/4/10 (木) 08:53:11 久恒啓一
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私自身、図解思考の有効性を常日頃から感じていて、また実践してもいる。周りの人間に薦めてみたい気持ちにおそわれることは一度や二度ではない。そんな時、「複雑な事柄でも、図にすると、思考が整理されて、よりよい考えが浮かぶ」といった極めて当たり前の説明しかできない場合が多かったが、この本はビジュアル・シンキングの基本理念や効果をうまく他者に納得できる形で説明してくれている。ここに書いてあることは、図解思考を即実践したい読者には、若干まわりくどいかもしれない。しかし、図解思考を積極的に行ってきた者にとっては、もう一度その基本を確認し、第三者にその効果を説明する上で大いに参考になるはずである。

 このページからもリンクを貼ってあるが、久恒啓一図解ウェブを参照してみてほしい。図解思考の徹底的な活用ぶりに気づかされるはずである。それはサイトの作りにも反映されている。扉がクリッカブル・マップによって絵的に表現されており、図を使うことによってナビゲーションも明確になっている。私も、クリッカブル・マップを使ったウェブ・サイト作りに将来挑戦してみたくなったので少しずつ勉強している。

 再び本の紹介に戻るが、図解思考って何だ、聞いたこともない、という人には非常にわかりやすい入門書として大いに価値があるだろう。まだまだ日本人の大半は、文章のみや箇条書きによって構成された資料で、会議やプレゼンテーションをこなしている。文章のみによる情報伝達は情報共有のスピードが効率的とはなかなか言えない。誤解を招くことも少なくない。それに対して、複雑な事象や問題を先に共通理解が得られるような図に示して、話し合いの場で基本資料として提示すれば、会議も活性化し、実のあるものになる。ノートの取り方もしかりである。
ドッグ・イヤーといわれる変化の激しい時代に、形だけの不毛な会議や、誤解を招くような企画書作りなどを繰り返していては、生き残りが厳しくなることは必須だ。それに気づいてきている人々は少なくないのではないだろうか。そういった人々に誤解を与えずにうまく、思考のツールとして図解することを示した本書は時代にうまくマッチした指南書と言えるだろう。実際、2002年5月に、書店に登場したこの本は多くの場所で平積みになり、現在でも大いに売り上げを伸ばしているのである。

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