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[5113] 面白かった『裏がえしの自伝』(梅棹忠夫著)コメントをつける 削除
2008/3/4 (火) 03:22:53 太田省三
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 こういう自伝は初めてです。ひとかどの人物の自伝や回想録は、「××になった」というのが普通なのに、この本にある「わたしは大工」「わたしは極地探検家」など6つの話はすべて、「わたしは××になれなかった」、または「ならなかった」話なのです。それでいてある意味での「××」を貫いた梅棹先生の自画像が描かれているのが、じつにおもしろいと思いました。
 しかしもう一つ裏がえすと、××になりたくてなれなかった(または、ならなかった)ご自身の憧憬なり後ろ髪を引かれる気持が伝わってきます。たとえば南極やヒマラヤ行きです。1940年という早い時期に南極を目指して冬のカラフトで犬ぞりの研究に取り組み、当時日本唯一の実験記録をものした氏には、強烈な南極への思いが残ったと想像します。
 わたしは自分史の執筆・普及に取りくんでいますが、同様のスタイルでも書いてみようと思いました。
 

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