石巻河北 平成10年7月5日
県民の目線、常に意識を行革トーク
  県民サービス充実と行政改革を考える「第二回行政改革県民トーク」(県主催)が三日、河北町総合センター・ビッグバンで開かれた。浅野知事がコーディネーターとなり、石巻地方、気仙沼・本吉地方の青年や農業、漁業関係者らパネリスト五人が意見を交わした。出席者からは県民の目線や現場に立った取り組みが求められた。
 県民トークは、オブザーバーの久恒啓一宮城大教授(県行政改革推進委員)が、日本航空勤務時代に利用者の声の把握に取り組んだ事例を紹介。「行政のスピードアップの必要性」と、「コメントカードに書いてくれる三パーセントの利用者を”高・高感度”(変化に比較的早い時点で感応する)グループととらえ、先を見越したニーズの把握が大切」と問題提起した。
 続いて阿部紀代子・石巻青年会議所副理事長(石巻市)遠藤勝彦・県漁業士会会長(志津川町)太田実・河北町長(河北町)昆野龍紀・気仙沼市行革推進委員(気仙沼市)高橋千代恵・県農業会議委員(桃生町)の五人が、県民ニーズの把握や行政改革、県職員の姿勢、県民の関心などの持論を述べた。
知事をコーディネーターに官民5人、意見交換


 阿部さんは「ニーズ把握は、住民グループからも直接聞いて」「課題を出し合い、優先順位をみんなで考えるべき」、遠藤さんは「県政への窓口が分からない」「県の事業決定の過程を公表して」、高橋さんは「ボランティアが行政の一部を手伝うようにできないか。それによって浮いた予算を別の事業に回すことができる」「市町村の自主性に任せる部分も必要」などとそれぞれ訴えた。
 太田町長は、「県民が県政に関心を持ち、参加していることが大切。県職員は県民と同じ目線に立って」と述べた。
 県は、昨年四月に「新しい県政創造運動−宮城の行政改革−」をスタートさせた。「県民の視点に立った使命・成果・効率重視の宮城県政の再構築」を基本理念とし、県民サービス改革が大きな柱となっている。その実現のためには(1)県民ニーズの把握とそれを業務に反映させる仕組みづくり(2)行政速度アップなどの県民サービス向上運動(3)行政サービスを監視する県民サービス向上委員会設置−を重点としている。 

石巻河北新報社提供

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