地域密着を後押し
市民の声分析
経営陣に苦言、直言も
「顔と名前が一致しない」
7月13日午後、仙台市泉区の仙台スタジアムにほど近いファミリーレストランの一角は熱気に包まれていた。
「プロは客商売。伊達(だて)男に疲れ切った表情を見せられちゃあ、客はしらける」「みんなが一緒になって応援できる工夫があればいいのに」「選手の顔と名前が一致しない。ハーフタイムに選手名鑑や解説などを流したら、もっと盛り上げられる」
ブランメルが最下位の水戸ホーリーホックを1対0で辛うじて破った前期最終戦の観戦を終え、今年宮城大事業構想学部に社会人入学した力丸萌樹さん(33)を代表とする「デュナミス」のメンバーたちは興奮冷めやらぬ様子で、感想や意見をぶつけあった。
今期のブランメルは、前半戦で6勝9敗と大きく負け越し、経営状況も、累積赤字14億円と深刻化しているだけに、議論は白熱した。
力丸さんらがブランメル仙台"再建"を手助けすることになったのは、「市民の広範な支援態勢をつくりたい」と東北ハンドレッドのフロントが、久恒啓一宮城大教授(ビジネスコミュニケーション)に協力を要請したのがきっかけだ。
同大の事業構想学部は「豊かな着想を現実的な計画に生かせる人材を生み出す」ことを目標に今春設立された経緯があり、久恒教授は「ブランメル再建は宮城県民の大きな関心事で、県立大として力を貸すのは当然。学生にとっても、組織運営や広報活動の在り方を実験的に学べる絶好の機会」と快諾した。
早速学生に呼びかけたところ、看護学部の学生も含め約20人が手を挙げ、6月下旬、「デュナミス」が誕生した。
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