その人の人生設計と地域の将来像を描く
仙台で生まれた自分史作成ソフト「自分傳説」(発売元・能開生涯学習研究所TEL022・275・6401)の共同製作者である能開生涯学習研究所の沼川芳夫社長がソフト開発を思い立ったのは、「亡くなった親父の年齢に自分が近づいてきて、親父の人生がどんなものであったかをまったくイメージできなかったショック」からだった。
沼田さんが亡くなった父の人生をまったくイメージできないのと同じように、沼田さんの子どもたちも、沼田さんの人生をほとんど知らないだろうという事実にも気がつかされた。学生時代には「早稲田文芸」の編集長も務め、それなりに自分探しはやってきたと思っていただけに余計にショックだったようだ。
それに塾経営者としての思いが重なる。文章指導の塾を25年ほど経営しているが、最近の子どもたちは、自分の課題や将来への道を探る方法を知らない。そもそもどう考えればよいのか考え方を知らない。だから他人を理解する力も乏しい。
「だからこそ目先の現実や感覚だけで処理しようとする。それは文章に端的に出てきます。子どもたちを導くべき親たちも、学歴一本の発想できているので、子どもたちの課題を処理したり、アプローチの仕方を教えることができないようなのです」
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