週刊エコノミスト 99.10.26
新刊 大胆図解『日本の白書』
 政府が発行している「白書」と聞くと、堅苦しくて読みにくいというイメージがあるし、実際、多くの白書はその通りだ。しかし、盛り込まれているデータ、情報が豊富なことは確か。もっとわかりやすく書いてあれば利用価値は大いに高まるだろう。この本は、県立宮城大学で図解のノウハウを教えている著者が、主要な31の白書を取り上げ、わかりやすく図解した本だ。
 全ページにわたってスペースの三分の二を図やフローチャートが、残りを文章に割くというビジュアル重視で白書の内容を解説している。たとえば、『経済白書』(平成11年版)は、現状の景気についての「厳しい状況、しかし明るい動きも」という判断に至る理由の一つひとつを分類して図解し、因果関係が一覧できるようにしてある。
 「産業界、官界、学会、言論界を問わず、物事を理解し、企画し、伝達する手段として、文章はあまりにも偏重していることが、共通の理解を妨げている」という著書の考え方を実践した本だ。
毎日新聞社

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