1999年10月28日(木)
県図書館祝日も開館を 県民サービス向上委提案
NPO活用、職員配置見直し 経費抑制の方策も
 県職員の意識を改革し、県民の視点で行政サービスの向上を目指す「県民サービス向上委員会」(委員長・久恒啓一宮城大教授)は27日までに、第一弾の提案として、県図書館(仙台市泉区)のサービス向上策をまとめた。祝日開館や開館時間の見直しなど利便性の向上を求めたほか、経費抑制を図るため、民間非営利団体(NPO)の活用、時間帯によるサービス内容の限定などの工夫を提案している。
 提案では、県図書館が持つ図書館文化の先導的役割、歴史的遺産の保護など専門的機能に加え、一般県民の視点を重視した「県民図書館」としての役割の充実を求めている。一般向けサービスを充実させるとともに、それに伴う経費増を市民参加やわずかな利用者負担で補うことが基本方針になっている。
 具体策としては(1)祝日開館(現在の休館日は月曜と祝日)、開館時間(平日午前9時−午後7時、日曜午前9時−午後5時)の見直しなど利用者サービスの充実(2)NPOなどの参画や職員の配置見直し、時間帯別のサービスの限定などによる経費抑制(3)駐車場など特定の利用者だけが享受する一部サービスの有料化(4)図書館への公共交通の充実−の4点だ。
 今回の提案では、県図書館だけでなく、住民に直接サービスを提供するほかの公共施設にも同様の取り組みを求めている。県民サービス向上委員会は近く、浅野史郎知事と柿崎征英県教育長に提案し、具体的な取り組みを検討するよう要望する。
 第一弾の提案の対象に、県図書館を選択したのは、県民からの陳情や行政相談、知事への手紙など約8百件の要望内容を分析した結果だという。県民が直接受けるサービスで、県のほかの施設や市町村などにも波及効果が期待できる―などの狙いもあるようだ。
河北新報

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