宮城大・久恒教授が出版
図解に短い解説加え3部構成
農業白書など国内で発行されている主要31の白書を図解し、短い解説を添えた書籍「大胆図解 日本の白書」(発行元・同文舘出版)がこのほど、発刊された。著者は宮城大学事業構想学部でビジネスコミュニケーション論を教える久恒啓一教授。分厚くて、難解な専門用語が並ぶ白書を、大幅に要約してビジュアル化しており、市民には縁遠い白書を親しみやすくする効果が期待できそうだ。
「日本の白書」は農業白書、環境白書、などを収めた「1部国土・環境編」、経済白書、防衛白書などを入れた「2部経済・産業編」、国民生活白書、犯罪白書などを収容した「3部社会・生活編」の3部構成で、全体で267ページ。1,900円(税別)。
例えば、本来は約350ページある平成10年度農業白書はわずか8ページに要約。「農業構造・農村社会」のコーナーでは、「農地の流動化」「耕作放棄」「担い手」「農業経営」「農村社会」などをキーワードに、矢印などで課題と現状を整理した。授業の黒板のように一目で全体像がつかめるようになっている。
久恒教授は日本航空の元広報課長で、分かりやすい広報資料づくりの経験が豊富だ。宮城大では「情報表現論」などの講座を担当し、これまでに参院選の選挙公約などを題材に、情報の視覚化や分かりやすい図解の技術を講義している。
久恒教授は「自分の視点で大胆に解釈し、図解した。この一冊で日本の全体像がつかみやすくなるのではないか。白書のガイダンスにもなるはず。知識の“地図”のように使ってほしい」と話している。
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