図解と技術の基本は、マルと矢印の使い方に習熟することです。どんなに複雑でよくできた図解でも、そのほとんどは○と→の組み合わせでできているのです。
実際の図解は四角形や三角や楕円(だえん)を用いているので複雑に見えますが、これらの図解の部品は要するに○の変形にしかすぎません。○は、その世界がどういう仕組み・構造で成り立っているかを表しています。
世の中に存在するものはすべて、あるかたまりの中に包容されるという考え方です。そのかたまり同士の重なり具合や離れ加減、あるいは大小などを○で表すことで、全体の構造が理解できます。
矢印(→)は、ものごと同士がどういう関係であるかを表すものです。点線や破線も矢印の一種です。世の中に存在するものは、すべてなんらかの関係があります。その関係は原因と結果であったり、影響を相互に与え合ったりするなどさまざまです。
大きさや太さを工夫することによって、矢印はさまざまな表情やニュアンスを醸し出してくれます。文章化の過程では、矢印は関係を表す言葉である接続詞に置き換えていきます。接続詞は文章同士をつなぐ役割としてあるのですが、私は「関係詞」と呼んで敬意を表しています。
マルや矢印を縦横に使って図解の達人を目指しましょう。
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