事務的でサービス精神に欠ける「お役所言葉」について、県民の視点で県政改善を目指す「県民サービス向上委員会」(委員長・久恒啓一宮城大教授)は18日、具体的な言い換え例を示した改善提案書を浅野史郎知事に提出した。10月6日まで改善に向けた方針を回答するよう知事に求めている。
久恒委員長によると、役所言葉は県庁内の掲示物に目立つ。(1)否定形の多用(2)命令する口調−などが大きな特徴。同委員会は「せっかく丁寧で詳しい説明をしている掲示物でも、最後まで読まないと基本的な情報が得られないケースが多い」と指摘する。
資料の貸し出し・閲覧コーナーでは、利用者に必要と思われる情報より、職員だけが分かればよい記号などを大きく表示する傾向があった。各課室の入り口付近には職員の座席表を掲示しているが、業務の担当が分かりにくいため、右往左往させられる県民もいるという。
県は役所言葉に対する批判を受け、平成4年に公文書の文言を見直す作業に着手した。これまで来客の応対マニュアルの作成などに取り組んだが、「いまだに県民からの苦情、批判が絶えない」(県行政管理課)。「問い合わせの内容を理解していない。的外れだ」「説明が不十分で、官僚的すぎる」といった苦情が多いようだ。
久恒委員長は「県は県民に情報を伝えようと熱心だが、情報が県民に届いているかどうかについては無関心なようだ」と指摘。「思いやりを持ち、常に相手の立場を考える双方向性のコミュニケーションを心掛けてほしい」と話している。
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