宇宙飛行士が宇宙から見る地球の姿や、人工衛星から送られてくる地球や日本の映像を見て、美しいとは思いますが、あまりにも高いところからの映像であり、距離がありすぎて現実感が乏しくなります。
あまりにも大づかみに世の中を眺めると、世の中で起こっているうねりや小さな渦、その中で生活している人々の動きはつかめません。一方、自分の身の回りの小さな範囲で世の中を見ていても、時代全体の流れからは、はずれてしまいます。
よく、小さなことにとらわれている人のことを「木を見て森を見ず」といって批判することがあります。部分にとらわれて、全体の姿を見逃す視野の狭い見方に対する警告です。
個々の木を見るという視点、個々の木々が織りなす森全体を見る視点、この両方を兼ね備えた視点から森を眺めると、1つ1つの生命の様子と、全体としての森の生き生きとした姿が見えてきます。
鳥は上空から森全体を見渡し、木々のそばにもさっと近づいて観察することができます。「木を見て森も見る」視点を持っています。
程よい高さの視点で全体と個をバランスよく眺める。そういう視点が情報時代には必要になってきます。この視点を「鳥の視点」と呼びたいと思います。
図解のトレーニングのポイントの1つは、全体が見渡せて、しかも細部にも程よく目配りがきく「鳥の視点」を養うことです。鳥の視点で世の中や会社の仕事を眺める訓練をしてみましょう。
今回で、1年間続いたこのコーナーも終わりになります。図解コミュニケーションを活用し、ビジネスコミュニケーションの達人を目指しましょう。
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