このような状況下で、これからの就職活動をどう行うべきかについて、宮城県内各大学の就職課からのアドバイスを紹介しよう。
実習活動で視点が変わる(東北福祉大)
「3年生の夏休みから活動がスタート。福祉施設や病院希望者は実習や見学、ボランティア活動を行い、企業希望者はインターンシップに参加する。その経験から、自分を見つめることができ、イメージやブランドにとらわれずに適職を選ぶことができるようになる。実体験に勝るものはない」
ミスマッチに注意(石巻専修大)
「地方の大学ではインターネットでの情報収集が不可欠。その上で、OB訪問などの生の声を聞いてミスマッチのない就職活動ができるようにしたい。また、パソコンと英語の使用能力をスキルアップしておくこと」
女性も目的意識高く(宮城学院女子大)
「女性も会社に長く勤める時代になったので、将来設計をきちんと行い、長期的な視点で職業や企業を選ぶように指導している。就職活動への取り組みの早い人や、目的意識の高い人は決まりやすい」
付加価値をアピール(東北学院大)
「卒業単位以上の付加価値を備えていないと勝てない。だから、自己分析をしっかり行って、自分をよく知り、どんなことをやってみたいかなどを、具体的にアピールできるようにしておくこと。また会社訪問する時などは、一回一回が勝負と覚悟して挑戦する」
企業の人材ニーズはどこにあるのか。どんな人材を採用しようとしているのか。企業や業界をしっかり研究し、的確な自己アピールを行わないと採用はおぼつかないようだ。
人生設計に見合う企業へ
学生生活にも就職活動にも真面目に取り組み、能動的に過ごしてきた学生であれば、オリジナリティーの自己アピールも可能で、短期決戦のメニューをこなして、「前半型」の仲間入りを果たすことができるということだ。
この3月に初の卒業生を送り出す宮城大では、事業構想学部、看護学部ともに就職率がほぼ100%を達成する見込みだ。同大キャリア開発室長の久恒啓一教授は、その理由をこう語る。
「学歴ではなく学習歴、経歴ではなく経験歴、職歴ではなく仕事歴というように、これまで実質的に何をやってきたか、これから何をしたいかを自らプレゼンテーションできるよう個別に指導してきたのが、この結果につながったのではないか。
企業は通常30年が寿命といわれるが、個人のキャリアは40〜50年続く。人生において、就職は最初のステップに過ぎない。自分を企業に合わせるのではなく、自分のキャリア設計に合う企業を見つけることが大切だろう」
|