研修に移り、はじめに久恒啓一宮城大学教授が「受注産業から創出産業への転換」をテーマに講演した。
自己表現力、コミュニケーション能力の重要性を指摘する久恒教授は、こうした能力向上のために自ら教鞭(べん)を執っている宮城大学の学生に自分史を書かせている事例を紹介。自らを知り、将来の方向性を見定める意味からも自分史執筆が有用であることを指摘して、来年度以降に小中高校で導入される「総合学習」に自分史教育を取り入れる意志を強調した。
その上で、インターネットを通じた調査で二、三十歳代の若者が自分史に関心を持ち、実際に書いているという結果を紹介。「マーケットが見えないのは紙に偏重しているため。いつまでも紙だけではなく、ITも使って対処しなくてはいけない。これからは若者から高齢者までをカバーする業界、いわばライフデザイン産業として出てくる可能性がある。もし自費出版ネットワークが各世代が抱えている問題や課題、ニーズを浮き彫りにすれば、それがマーケティングであり、そうしたものに関係を持っていれば、次の商売が何であるかが見えてくる。ネットワークはその最先端のいいポジションにいる。事業の中に取り込むことが重要なポイントで、古くさい自分史業界になってはいけない」と、ネットワークの可能性を示した。
さらに「自費出版というと、お年寄りが集まっているような暗いイメージがあるが、未来産業という気概でやった方がいい。私がいま教えている学生がマーケットに入ってくるが、皆さんがその準備していないとマーケットは持っていかれる際どいところにいる」と、早急な対応を勧めた。
(本文より一部抜粋)
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