特集・変革の嵐を突破できるか |
「アイリスオーヤマを受験しようと思う人(就職したい人)は学生全体の五%」 就職希望者は全学生の五% 調査によると、「アイリスオーヤマ」という企業を知っている人は八六%だったが、同社の商品や行っている企業活動について知っている学生は二二%(百三十二人)にとどまった。つまり「よく聞く名前だが、具体的に何をやっている企業なのかわからない」というのが、学生の抱くアイリスオーヤマに対するイメージだ。しかも「知っている」と答えた学生の中でも「目薬メーカー」などと勘違いしているものも多く、実際の知名度はもっと低いのが現状だ。 アイリスよりカニトップ また、「(アイリスオーヤマが)ベガルタ仙台のスポンサーであることをご存じですか」という質問にしては、知っているのが二二%(百三十四人)で、約八割が知らないという結果が出た。昨年J1昇格レースを繰り広げ、大いに注目を集めたベガルタ仙台だが、学生からの注目度は低く「サッカー自体興味ない」、「背中は目立たない」、「ロゴが長すぎて読みづらい」、「胸についているカニトップの文字のインパクトが強すぎて、その他のスポンサーは覚えていない」など様々な意見が出された。 学生と企業の間にギャップ そもそも今回、アイリスオーヤマ一社を取り上げ、学生就職意識・認知度調査を実施しようと思ったきっかけは、久恒啓一ゼミと同社の間に接点があったことが大きい。同ゼミに所属する学生の中には、インターシップ精度を利用し同社で社会勉強をしている学生も何人かおり、その課程で、学生が抱いているアイリスオーヤマのイメージと実際とでは、大きなギャップ(差)がある事に気付いた。また、自分の周りにいる友達(三年生)はアイリスオーヤマについてほとんど知らないのに、大学四年になって就職活動をし、就職合同説明会などに参加すると、同社のブースがひとでいっぱいなるという事実を聞き、素朴な疑問を持つようになったという。 地元企業はイメージを演出できていない 一方、この調査結果を受け、アイリスオーヤマは「地元宮城の学生に聞いたアンケートでこの数字はとてもショックだった。この結果を踏まえ、もっと認知度を上げる努力をしていこうと考えている。ただ、人気とりだけでは企業としてダメになるので、実力ともどもレベルアップしていきたい」と率直に受け止めている。 |
2002.3 |
仙台経済界2002年3-4月号 |