2002.7.9

世の中の鳥瞰図を描ければ、判断を誤ることはない

  「考え方」「考える力」を身につける類の本が、またぞろ売れているようである。知識は山のように詰め込まれてきたはずなのに、社会に出てみると、さまざまな問題を前にして、それがほとんど有効な力を持たないことに愕然とするからなのか。著作もこの疑問と格闘するうちに、ひとつの答えに行き着いた。著者はこれを「図解コミュニケーション」と名付けている。
  「(前職の日本航空で)労務担当(組合対策)、広報課長(マスコミ対応)、経営革新(サービス委員会事務局次長)と携わってきましたが、考えてみればこちらはいずれもコミュニケーションに関すること。そしてこのコミュニケーションに有効なのが『図』だったんです。」
  実業の中で悪戦苦闘するうちに、考え方の武器として「図」が次第に立ち上がってきたのだ。「最初は手探りでしたが、社内で(意見が)比較的簡単に通るようになりました。本社はエリートが多いんですが、みんな文章派なんです。だから役人と同じです。文章に対しては細かいが、図に対しては無防備なんです。」
  これをベースに初めて書いた『図解の技術』が野田一夫学長(当時)の目に留まり新設の宮城大学教授へ。ほかにも現在、それまでのキャリアを背景にキャリア開発研究所代表、宮城県県民サービス向上委員会委員長など多くの公職にも就いている。
 
(後略)

経済界

BACK