大学教育学会第四十回大会が七月十三、十四日に宮城大学で開かれました。
二〇〇二年度から小中学校、二〇〇三年度から高等学校で「総合的な学習の時間」が始まり、二〇〇六年からは総合的な学習に学んだ世代が大学に入学してくることとなります。この大会では「総合的な学習」という観点から大学教育のあり方を考える機械としました。
初日の「特別講演」では文部科学省のスポークスマンで有名な寺脇研さん(現在は大臣官房審議官)に「総合的な学習導入の意義と展望」というテーマで一時間半お話いただきました。総合学習は「貯める」学力から「使う」学力への転換がテーマであるという趣旨の発言など、文部科学省の考え方を存分に語っていただきました。話がうまく、三五〇人の聴講者は熱心に耳を傾けていました。
翌十四日、「総合的な学習」をめぐるシンポジウムが二つ連続して行われました。午前中は、「総合的な学習の現実」というテーマで、仙台市高森中学校、仙台白百合学校、宮城野高校、仙台第二女子高、そして東京からは自由学園の方々から発表をしていただきました。どの学校の発表も素晴らしく、それぞれ深い感銘を聴講者に与えた様子が印象的でした。午後は「総合的な学習」と大学教育というテーマで学会会員の方々のシンポジウムで、学力低下問題、入試、生き方論、などが話題になりましたが、大学教育の現実が見えた形となりました。また、大学の運営は学生諸君が担当しましたが、テキパキとした動きは参加者からは高い評価を得ています。
私自身は実行委員会として大会の企画運営を担当しましたが、大学教育が置かれている現状や今後の方向などを考える良い機会となりました。