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2003/2/11 (火) 19:47:38 久恒啓一
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図解は考える習慣をつくる ―― プロジェクトマネジャーは考える人である
 著者は「図解とは情報のデザインである」といっています。ここでいう情報とは、話であり文章であり、図式等です。言葉や文字文化に慣れてというか、そういう生活が身についているので、多少理解に曖昧さがあってもそれをまた言葉や文章で補っています。一般的な生活では話しことばが先で、次に何かを書きとったりするもので、所謂習慣として書くことから始まっていません。所が、ビジネスの世界では話をする前に、文章として書いてから提案なり決済がおこなわれています。所謂、記録・契約する文章の世界です。文章は読み方で解釈が異なるケースがありますが、図示されると誰が見ても理解し易く、解釈が異なることは余りありません。一般的に、文章を書くことに慣れている人は文章を書くことが苦になりません。しからば図示出来るかというと簡単にはいきません。人間の脳は左脳=論理的思考、右脳=感性的思考とあり、この図式で考えるのは右脳を働かせることです。この訓練(多分物事を図式で考える右脳を鍛える)をすれば、誰でも図解はできると著者は書いています。我々はプロジェクトを前に、色々考えながら仕事を進めています。考えてはいますが、論理的(文章)であってイメージ(図解)としてではありません。PMBOK(日本語訳本)の冒頭にプロジェクト・マネジメントの構成要素が図示されています。あの図解から誰もが等しくPMの理解を深めたと思っています。図解を深める方法として、文章を「図読」する考えで、右脳を鍛えれば自然に図解に繋がると書いています。PMには図読の訓練をしながら図解にチャレンジすることが必要なようです。

 図解はコミュニケーションを助ける ―― プロジェクトマネジャーはコミュニケーションが必須である
 図解は文章に比べ、直ぐに同じ理解が得られます。このことは物事をよく理解し、それをベースに考えて人に間違いなく伝えるという、人間の思考プロセスがコミュニケーション力を助けています。相手に物事を伝える所謂コミュニケーションをするには、先ず伝えるべきことを、間違いなく、早く理解することからはじまります。この間違いなく理解する方法として図解が役にたつのです。この理解のプロセスを著者は三段階に分けています。第1段階が、個々の部分を知識として「バラバラにわかる」段階。そして第二段階が各部分のつながりが見えるようになり「全体的・体系的にわかる」という段階。最後の段階が自分自身の方法を使って「表現できる」という段階だそうです。このプロセス(理解して、思考して。伝達する)こそが図解の実践であると書いています。PMは顧客に対して、会社に対して、プロジェクトメンバーに対して正確にコミュニケーションしなければなりません。プロジェクトの目的、リソース、それぞれの役割、スケジュール、問題点等々、相手によってそれぞれを正確に伝えることです。家を建てる時の例が書かれてありますが、正に施工図面で工事関係者に情報が正しく伝わります。進捗工程スケジュールに合った図面がキーポイントです。プロジェクト仕様書や設計書(といっても図面ではなく、大半が文章であるのが現状です)に図解を入れるには、時間的に技術的に可能なら出来る限り取り込んだ方が良さそうです。図解を取り込んで情報を早く正確に伝えられるので、PMにも大いに活用できます。自分の見方・考え方を引き出す為にもトライする価値がありそうです。

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