二兎を追うべし!凡才のための「生涯設計図」
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教訓1 凡才を自覚した凡才は自己過信の秀才より上 読者の多くはこう考えるかもしれない。仮に今、四〇歳だとすれば、「今はとにかく仕事で忙しい。人生について考えるのは五〇歳くらいからでもいい」と。しかし、一〇年という期間はものすごく長い。一流だった人が三流になり、健康だった人がガンで死ぬ。あらゆることが起こりうる。先送りするのは簡単だが、それでは人生の不良債権を持ちつづけたまま五十代を迎えることになり、「失われた一〇年」になる危険性が高い。 「一灯を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うなかれ。ただ一灯を頼め」。私が好きな江戸末期の儒者佐藤一斎の言葉だ。明日が読めない不透明な時代だからこそ、今日を一生懸命生きる。すると、自分という一灯は明るさを増し、足元が広く照らされ、進むべき道が見えてくる。先送りしている余裕はない。 |
2003.9.1 |
プレジデント社 |