この夏の父の七周忌のことを考えながら、たまたま衛星放送のチャンネルを回していたら、藤沢周平原作の小説をドラマ化した『清左衛門残日録』にあたった。父がこのシリーズをよく見ていたことを思いだしながら、仲代達矢のいぶし銀の演技に痺れた。残日とは「日残りて昏るるにいまだ遠し」という意味だが、この言葉は過去と未来をつなぐ時間と現在の空間を取りこんでいて、味わい深い響きをもっている。
(中略)
志のある者は、歴史と地理の狭間でみずからの立ち位置を定めることに腐心したい。
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