ビジネスマンから大学教授へ転身して10年以上経った。この間頼まれたものはすべて引き受けてみた。中央省庁から県、市町村の多数の行政の委員を引き受け(タテ)、産業界では自動車・製薬・電力・遊戯・医療・サービスなどあらゆる業界と接触した(ヨコ)。そして各現場の抱えている問題を観察してきた。
(中略)
そこで議論に悩まされる文章至上主義の呪縛から逃れ、本質的な問題解決を図るために「図解思考」を薦めたい。図解は全体の構造と部分同士の関係を明らかにすることができる。いわば関係学である。「考える社員」は図で育つ。自らの足元は誰よりも深く掘りつつ、一方で全体を鳥瞰できる目を持つ「考える社員」がどのくらいの割合でいるかが、今後の企業の競争力の源泉となるだろう。
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