雑誌「邪馬台」 昨日今日とは思はざりしを |
昨秋の10月15日、横松先生御逝去の報に接した時、私は中津の町がさっと暗くなったような気がした。
(中略) 地域の文化高めて叙勲を拒みたる無冠の先生尊しと思ふ 連載の名も無き「忘れ得ぬ人たち」をあたたかき眼もて書きし先生 鱧ちりの湯気をたたせて天下国家論じゐし先生、夫も今亡し 書類かばん持ち手飄々(へうへう)と喫茶店に入りゆくを見つ横松先生 臨終(いまは)の夫を見舞ひくれたる最後の人は横松なりき今に思へば 先生を招きて牡蠣鍋かこみたるそれが最後の晩餐となりぬ 何年か後には又逢へるかも横松先生只今留守と思はぬ |
2006.3. |
邪馬台 横松 宗先生追悼号 |