仕事をする上で、ことごとくつきまとってきたのは「文章を書く」ということ。書きたいが先に進めないのは、文章が下手なのだからだと思っていた。なんとなく伝えたいことを伝え切れていないのも、文章力がないからだと思っていた。
しかし、この本を読んで、書けないのは文章を書く、ということそのものに力が不足しているのではなく、文章を書くための中身を考える力が不足していることがわかった。
文章を書いていると、考えながら書いているので最初と最後とで内容がずれていることはよくあるし、結局何が言いたかったのかが伝わりにくい文章にもなってしまう。
久恒氏が提唱する「図解文章法」は、地図を持って知らない土地に旅に出るような、そういう感覚がある。図によって進むべき方向とその道のりがわかっていれば、途中で迷うことはない。
助詞の使い方、一文の中の主語述語の組み立て方に悩んでいたわけではなかった。自分自身の本当の悩みに届く方法が、この1冊にあった。まさに、快刀乱麻を断つ。そんな1冊である。 |